俺がバスケ部の人間なら、男子も女子もみんな知っている、って……分かっているよな?

なんで名前を言わないんだ?



でも。

もし嘘を言うとしたら、そんな突っ込まれそうな嘘じゃなくて、もっと違う言い訳をするよなぁ。

まぁ、この前のように21時過ぎとかに帰る訳じゃないみたいだし、気にしなくていいのかな?



「ふ〜ん。あんま、遅くなるなよ? 明日も学校なんだから」



俺は無理矢理納得して、そう言った。

すると、美雪は笑った。



「お兄ちゃん、お母さんみたいな事、言わないでよっ」

「げっ。そうだよな」