チクチクと、胸に痛みが走る。



分かっている。

そんなのは、ずっと分かっていた。

隆志先輩の視線の先には、いつも美雪が居る。



私は隆志先輩の視線を追って、隣に居た美雪を見た。



えっ?



ギュッ

美雪の表情を見て、心臓を鷲掴みされたような苦しさを感じた。



今にも泣きそうな、辛そうな顔。



美雪が抱えている何か辛い過去を、隆志先輩も知っていて、さっきの言葉が出て来たのかもしれない。