数百m先に迫る電車。 だけど男の子はうずくまったきり、動こうとはしなかった。 『っ…』 次の瞬間、私の躯は踏切の中に在った。 助けなきゃ。 そんな考えより先に身体が反応してしまったらしい。 自分もこのままでは助からない。 頭で分かっていても一度勢いづいてしまったものは止められない。 …男の子まで数センチ。 思い切り手を伸ばした、 けど 私の身体は反対側―…自分が元居た場所に突き飛ばされた。 と、同時に、電車は私の目の前スレスレの所を通過した。 .