聖夜聖戦!

「…やっぱり寂しいよ、マカ」

言葉は白い息となり、暗闇に消えていく。

まるで自分の姿のようで、気持ちが重くなる。

「…何泣きそうな顔をしているんだ? ハズミ」

「えっ?」

顔を上げると、目の前にはマカがいた。

大きな紙袋を持って、険しい顔をしている、いつものマカが。

「せっかく生まれなおしたというのに、その顔は何だ? パーティー好きなんだろう? なら、喜ぶべきだろう?」

そう言いつつ紙袋をあさり、ハズミの元へ近寄ってくる。

「お前の為のクリスマスパーティーだろう? なら、少しは気を使え」

目の前で立ち止まったマカは、ふわっ…とハズミの首に、オレンジ色のマフラーをかけた。

「えっ? コレって…」

「ソウマの店で扱っている毛糸で、私が編んだものだ。わりと上手くできただろう?」

笑顔でそう言いつつ、マフラーを巻く。

「マカの手編み?」

「ああ、編み物は趣味なんだ。ストレスが溜まった時とか、よく編むぞ」

ハズミは震える手で、マフラーに触れた。

「あったかい…」

「そりゃマフラーだしな。ソウマの店の毛糸だし、特別製だ。大事にしろよ」