観覧車の側のベンチで待つと、ほどなくして古谷と真実が出てきた。
幸日が真実に近寄ると、真実はきもち怒っているような顔で、古谷から思い切り顔を背けた。
「お前…またなんかしのかよ」
南部が呆れたように聞く。
どうせまた適当なことを言ってはぐらかすだろうと思ったら、意外にも真剣な顔で頷いた。
「うん。言ったかも」
そういった後笑う顔も、心なしか弱々しい。
南部が掛ける言葉を探していると、真実が幸日の手を引いて少し離れた。
そのまま何やら話し込み始める。「お前…大丈夫か?」
とりあえず、1番気になっていたことを古谷に問い掛けた。
古谷は首を傾げる。
「さあ?秋仁と戸田の仲良しさん復活大作戦!だったはずなんだけどねぇ…」
そう言って大きく伸びをすると、後はもう何も言わない。
雑多な人混みを見詰めて微動だにしなくなった。
もう何を言ったらいいのか本当にわからなくなって南部が途方に暮れていると、ようやく幸日が戻ってきた。
真実は少し離れた場所から動かずに俯いている。
幸日は小さく背伸びをすると南部に耳打ちした。
「真実ちゃんもう帰るって…三人で遊んでって、って言ってて…今度は本気みたい」
「え?」
思わず声が漏れた。
「なんで?」
幸日に聞いても無駄なことはわかっていながら、つい例に習った言葉が続く。
「わかんない…。怒ってるみたいだけどなんかよし君とあったのかも」
不安げにそう囁く幸日に、ちょっと待ってて、と声をかけて、南部は古谷を振り返った。
「どうする」
責めはしない。あの古谷があぁなるのは余程のことだ。
顔を寄せて聞くと、古谷はまた弱々しく笑った。
「ごめんねぇ。せっかく楽しくやってたのに。でも秋田が帰るなら俺も帰るよ。二人で遊んでかえりなよ」
「…わかった」
言うと、南部は今度は、真実と南部を交互にみて戸惑っている幸日に向き直った。
「古谷も帰るって言ってる」
どうする?と聞く前に、幸日は怖ず怖ずと口を開いた。
「真実ちゃん帰るなら、あたしも帰りたいです。…ダメですか?」「あぁ…全然。俺も帰ろうかって言おうと思ってた」
幸日ともう少しいたい気がしたのも確かだ。
でもそれよりも、古谷を心配する気持ちの方が大きかった。
「ごめんなさい…」
幸日は申し訳なさそうに頭を下げると、真実の所へ行く。
幸日が真実に近寄ると、真実はきもち怒っているような顔で、古谷から思い切り顔を背けた。
「お前…またなんかしのかよ」
南部が呆れたように聞く。
どうせまた適当なことを言ってはぐらかすだろうと思ったら、意外にも真剣な顔で頷いた。
「うん。言ったかも」
そういった後笑う顔も、心なしか弱々しい。
南部が掛ける言葉を探していると、真実が幸日の手を引いて少し離れた。
そのまま何やら話し込み始める。「お前…大丈夫か?」
とりあえず、1番気になっていたことを古谷に問い掛けた。
古谷は首を傾げる。
「さあ?秋仁と戸田の仲良しさん復活大作戦!だったはずなんだけどねぇ…」
そう言って大きく伸びをすると、後はもう何も言わない。
雑多な人混みを見詰めて微動だにしなくなった。
もう何を言ったらいいのか本当にわからなくなって南部が途方に暮れていると、ようやく幸日が戻ってきた。
真実は少し離れた場所から動かずに俯いている。
幸日は小さく背伸びをすると南部に耳打ちした。
「真実ちゃんもう帰るって…三人で遊んでって、って言ってて…今度は本気みたい」
「え?」
思わず声が漏れた。
「なんで?」
幸日に聞いても無駄なことはわかっていながら、つい例に習った言葉が続く。
「わかんない…。怒ってるみたいだけどなんかよし君とあったのかも」
不安げにそう囁く幸日に、ちょっと待ってて、と声をかけて、南部は古谷を振り返った。
「どうする」
責めはしない。あの古谷があぁなるのは余程のことだ。
顔を寄せて聞くと、古谷はまた弱々しく笑った。
「ごめんねぇ。せっかく楽しくやってたのに。でも秋田が帰るなら俺も帰るよ。二人で遊んでかえりなよ」
「…わかった」
言うと、南部は今度は、真実と南部を交互にみて戸惑っている幸日に向き直った。
「古谷も帰るって言ってる」
どうする?と聞く前に、幸日は怖ず怖ずと口を開いた。
「真実ちゃん帰るなら、あたしも帰りたいです。…ダメですか?」「あぁ…全然。俺も帰ろうかって言おうと思ってた」
幸日ともう少しいたい気がしたのも確かだ。
でもそれよりも、古谷を心配する気持ちの方が大きかった。
「ごめんなさい…」
幸日は申し訳なさそうに頭を下げると、真実の所へ行く。
