自分で思っていた。

冷めた性格をしているって。

でもそれを表に出したら、生き辛いのは分かっていた。

だから人当たりのよさそうな顔をして、そこそこの成績を出して…周囲を騙していた。

そんなふうに生きて、楽しいと思ったことはない。

だけどオレにとっては必要なことだから。

何か…夢中になれることがあれば良かった。

でも勉強も運動も人付き合いもソツ無くこなせる。

趣味や何かに情熱を持つことは無かった。

生まれて14年で、オレの心は凍っていた。

―そう、彼に出会うまでは。