「言ってなかったっけか?」


なんでむしろ僕を疑うの?


人差し指を頬に添え思案する桃東先輩。


「まぁ、そんなに気にする必要はないだろアズマ。僕だって初耳なんだから」


「姫様、実は私も」


なんて事だ。


ここにいる桃東先輩以外初耳だなんて。


うっかりさん過ぎるだろ。


「あ、あれっ!!で、でもフランシアッ先輩ッ!!さっき知ってるような体だったのはっ?」


フランシア先輩の目が柿宮に向く。


「それは、芝居?」


芝居する意味が分からない。ついでに「?」の意味も分からない。


「ん~。確かに皆に伝えた覚えが、ないなぁ」


あぁ、やっぱり。


「でも聞かなかった皆が悪いよね?」


責任転嫁だと!?


「姫様は、うん。悪くない」


「アズマのうっかりさんは今に始まった事じゃないからね」