「可愛い可愛いフランシアちゃんに心配されるなんて、とても羨ましい事だね」


「私は大丈夫だよ」


ハレルヤがウザくなったので完璧にシカトしておく。


「僕もフランシアに覗かれてみたいな。顔」


「ハレルヤ」


フランシアがハレルヤを向く。





「私の拳がね、血を。欲しがってるの」


いつもと変わらないのんびりとした口調。


けれど長い付き合いだから、よくわかる。


これはフランシアが本気で怒っている。


それはハレルヤもわかってはいるのだろう。


「拳はないわぁ」とか言いながらやはりお手上げをしていた。


桃東はまた、溜め息を吐く。溜め息を吐くと幸せが逃げていく。


なんて言うけど、もしそれが本当なら残りの人生に幸せはなさそうだ。


そんな事を考えながら桃東は再び歩き始めた。


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