「いや、真面目に。って言われても」


まさか、缶蹴りとはな。


「君なら、出来ると思うし。何より私はこれを運命だと思ってるの」


運、命。


なんて、言葉だ。


こんな所でまた聞くだなんて。


「……神奈河さん?」


「え。あ、はい?」


「大丈夫ですか?呆けてたみたいですが?」


「……いえ」


なんでもありません。とは言わなかった。


訝しげなフランシア先輩の背後。


どこか、僅かに申し訳なさそうな桃東先輩の顔が目に入った。


それは僕の気のせいか。


それとも『あの事』を思い出したのか。


それは僕にはわからなかった。


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