「ん、どっちもどっち」


フランシアがやはり辛辣だ。酷い。


「だけど、アズマ。やはり今回の引き分けはナツキ君の存在が大きいよ」


流石ハレルヤ先輩。


さっきまで殺そうとしていた事を詫びさせて欲しい。


「わかってるよ。今回は、夏樹がいなかったら引き分けには出来なかった」


おぉ。桃東先輩も僕を認めてくれるんだな。


「うん。…だけどねーー」









ーーあんな事は二度とするな。





夕方の、今日が終わろうとする緩慢な空気が部室にも大挙する。


その空気を裂く桃東先輩の厳しい言葉。


もう二度と、やるな。か。


きっと頼まれたってやらないと思うけど。


「わかりました」


僕はそう返事をした。


桃東先輩は笑って返してくれた。


「さ。皆で今日の引き分けを祝うよ!!」









ー了ー