凄まじい勢いで地面が近付いてくる。


いや、近付いているのは僕なんだけど。






ズドン。と言う今まで感じた事のない衝撃が両足を襲う。


とんでもない衝撃だ。


クソ。こんなに痛いって知っていたらやらなかったのに。





「…まさか君がこんなバカをやるとはね★★」


特徴のある声がした。


とっさに転がりその場から回避する。


回転する視界の中。ついさっきまで僕の頭があった所を蹴りが凪いだ。


あんなのが当たったら例え格闘家でも気絶は免れられないだろう。


「夏樹、後ろっ!!」


…牛路?


あぁ、後ろね。


振り向くと、すぐそこには僕達が渇望して止まない物があった。


「不二家…、ネクター」


太陽の光に煌めく、神々しく光る赤い。


缶。