そんな西木の思考など置いてけぼりにして黒板はガンガン白い文字に浸食されていく。


授業は数学。


数学って授業は難儀である。西木はそんな風に考える。


一度乗り遅れると、もうそれだけで皆に置いていかれる。


数学だけに限った事ではないけど、数学は如実だ。


……まるで言い訳みたいだ。


ま、実際言い訳だし。


それに今更ついていけるとは露ほども思ってない。


ぶっちゃけるなら「数学なんてやってられるかーい★」と言った所か。


カツカツと意味のわからない数式が黒板に生まれては消えていく。


理解する気はないが。


それにしても。チョークの打音の中。


変な音が混じっている気がする。


これは、何の音だ?