「…それは普通にはやらないって事?」
流石、茜子。
読みが良い。
その通り。正攻法はしない。やった所で結果は見えている。
ならばやることは一つ。
「奇策、だ」
「……奇策。こんな狭い中庭で奇策なんて可能なの?」
「狭いからこそ可能だ」
「は?」
眉間にシワを刻み怪訝な表情を隠さない。
「言ってる意味が……わからないよ?」
「奇策だからな。あ、そうそう。頼みがあるんだ」
「頼み?」
「そう、奇策ではあるけどそれでも真乃枇杷に勝てる保証はないからね」
保険は多い方が良いに決まってる。が。生徒会と缶蹴同好会の間だ。
だから無理強いをするつもりはない。
「……構わないよ、私は」
しかしそんな僕の考えとは裏腹に彼女は言ってくれた。
「君に、つき合うよ」
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