わき腹を押さえ、片膝をつく茜子。
これはもしかして、僕の方が押してる?
もしかして勝っちゃうか?
いやまぁ。男子と女子の身体能力の差は簡単には埋まらないって事か。
「……強い、ね。夏樹。缶蹴りの神の祝福を受けた私をこうまで一方的に攻められるなんて、正直ビックリだよ」
「ちょっと待て、あからさまに怪しい神がいたような」
しかも何、祝福って。新手の宗教団体?
「フフ、人は自分の理解見解を超えた何かを見ると何かしら理由を付けたがるものでね。私や『雷姫』『アーベント・イェーガー』みたいな華奢な女子さえ、この缶蹴は強くしてくれる。不思議な強化を私達缶蹴に生きる者はそれを『缶蹴りの神の祝福』と呼ぶのさ」
「まぁ長ったらしい説明をどうも」
言ってる意味はわかるはずなんだけど、あえて言おう。
意味がわからない。と。



