誰かなんて考えるまでもない。


今は授業時間内なのだ。


そんな時間に来るのは。


「生徒会……執行部っ!!」


どっからか現れた陽炎の中。こちらに向かってくるのは五人の男女。


真乃枇杷を中心として描くは鶴翼の並び。


ついに、来たか。


瀞文最強の缶蹴りチーム。


『瀞文高校生徒会執行部』


そこで僕はハッとして、桃東先輩に振り返った。


こないだ桃東先輩は真乃枇杷の姿を見ただけで動けなくなってしまったのだ。


今日もこのままじゃっ!?




……って、あれ?


僕の視界に映る桃東先輩は、いつもと同じよう悠然とそれに傲然と腕を組み近づいてくる生徒会執行部をジッと見据えている。


そこにこないだのように弱々しさはまるでない。