ま、そんな事言えるわけ無いけれど。


木陰にあるベンチに背を預けぼんやりとフランシア先輩を視界に収めながら「他はいつ来るんだろうな」なんて考える。


確か時間は午後二時で間違いないはず。フランシア先輩だっているし。


でも缶蹴同好会以外に生徒会の人間さえ来ないってのはなんなんなのだろう。


「フランシア先輩、他の先輩って。わかります?」


「さぁ」


ザクザクと青々しかった芝生は見るも無惨に、焦茶の土を晒しまくっていく。


きっと、フランシア先輩にはフランシア先輩なりの悩みがあるんだろう。


その鬱憤を土を掘り返す事で晴らしてるんだ。


うんそうだ。きっとそうだ。


そうじゃないとただの頭の残念な人だもの。