「じ、じゃあ先輩。僕ちょっと様子見てきますよ」


やっぱり返事はなく焦点の合わない双眸は三人に向けられたままだ。


とりあえず僕はその真乃枇杷さん。が見える所まで三人に近づく。


不意に三人とは違う人影が、ハレルヤ先輩に隠れているのに気付いた。


いや、あれは隠れているんじゃなくてただハレルヤ先輩が障害物になって見えなかっただけっぽいな。


イケメンってキャラ設定と一緒でホントに邪魔な人だな。


近づくとわかるのだけど、多分その噂の真乃枇杷さん。あまりにも普通の人にしか見えなかった。


当たり前のように短く切り揃えられた髪の毛。


きっちりと着こなす制服には一つのシワさえなく。


なにより、超。笑顔。


「ハレルヤ先輩。フランシア先輩。柿宮」


三人に辿り着き声を掛ける。