そこで、気付いた。


背後、缶の周りが静かになっている事に。


振り向くと、あれ?


三人は既に戦いを止め立ち止まっている。


終わった。のか?


ま、今回もまた最終的にハレルヤ先輩が「フェミニスト」を発揮してフランシア先輩、もしくは柿宮に勝たせたんだろうと思うけど。


僕には稀に本気でくるのに。


「先輩、終わったみたいですよ。……先輩?」


僕は緩慢に立ち上がり桃東先輩に手を差し出す。けど。


「どうしたんですか先輩」


桃東先輩は僕の手を見ようともせずただ三人の方を向いたまま。


「……真乃枇杷」


そう、言った。


「真乃枇杷が、いる」


驚きは隠さず。戦慄に体を揺らし、桃東先輩は自分自身を抱くように自分の二の腕にしがみつく。


桃東先輩が怯えるだなんて…。


て言うか全然その最強生物の姿が見えないんだけど!?