「そんなの、わかるよ」


「……わかるもの何ですか?それ」


「さぁ?」


いや、さぁ。って。


どれだけ適当なんだろう。


「キミの事、名前もわからないけど。でも、さっき見た太ももの筋肉は生半可なトレーニングじゃ付かないよ?」


さっき?


太ももを?


でも、『彼女』は自分の太ももなんて見せた覚えは…。


「チラッ★」


いきなり南は自分のスカートを僅かに手で吊り上げる。


イラッ★としたのは言うまでもないが、なるほど。スカートめくりの瞬間に見られたのか。


また、気恥ずかしくなったけど。なぜだか嫌な気恥ずかしさじゃなかった。


なぜか、嬉しい。


自分の事をわかってもらったみたいで。


だから自分の事をもう少し知って欲しくて、『彼女』は南に自分の名前、それに右手を差し出した。


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