「関係ないって今思ったでしょ?」


空中を漂っていた人差し指が鎌首をもたげるようにして僕を向く。


「甘いよ夏樹。うちの生徒会長、噂によると元缶蹴同好会らしいの」


「は?」


嘘ん。マジですか?


「マジですの」


人の心を読むな。てかあんな怪しい部活出身の生徒会長だなんて。


…あぁ。


たまに多重人格を発揮してあからさまに狙ったような悪者ぶる色々とおかしい桃東先輩。


気がつくとしょっちゅう穴ばかり掘ってる掘削作業員忍者のフランシア先輩。


常に笑顔だけどロリコンペド野郎なハレルヤ先輩。


頭のネジが一本どころかダース単位で足りなさそうな方々ばかりだ。


そんな色物ばかりな部活からの出身者なのだから生徒会長もまともだとは到底思えない。


あ、でも。


「元缶蹴同好会なんだったら、そう悪いようにはならないはずじゃないのか?」