「まあそれは冗談なんだけど。……じゃあ真面目な話を」
突然、茜子の表情が真面目なそれへと変わった。
雰囲気はさっきまでのちゃらんぽらんとしたものではない。
「これは生徒会役員としてじゃなく、私個人としての忠告として聞いてほしい」
「……なんだよ」
妙に改まった茜子の口調にむずがゆさが体を走る。
一体何なんだ?
「こないだの、缶蹴同好会とサッカー部の試合の事で、缶蹴同好会は大きく動きすぎた」
「大きく動きすぎた?」
あんなのただの練習試合じゃないか。
「その表情はあまり真面目には聞いてないね?」
「表情でわかるのか?」
「わかるに決まってるじゃん。幼なじみだよ?」
幼なじみだからってわかるものなのか、それ。
茜子は一つ小さなため息を吐いた。



