黒目がちの双眸。すっきりした鼻立ち。化粧っ気はまるで感じられない。


そんな美人さんが教卓に、両腕を支えにして前のめりに僕等を再び見渡す。


見渡す。と言うよりかは聘睨(へいげい)に近い気がするけど。


緩慢に首を右から左へ動かす女生徒。


一瞬目が合って、瞬間女生徒の一文字に結われた口が僅かに吊り上がった。


気がした。


「オハヨー…ございます皆さん」


なんだ今の一瞬の間。


「驚かせてしまってスミマセン」


こんなに心こもってないスミマセンは初めて聞いた。


「えーっと、今日私がこのクラスに来たのは実は人捜しの為で。…誰か知りません?」


何を?


とは誰も聞かなかった。