「貴様程度に、俺が倒せるとでも思ったか?」
「グ…ァァ」
頭が、痛い。
踏みつけられてるのだ。
【勇者】に。
二つ名の誇る英雄的な意味合いからは想像する方が難しい非道。
「しかし、貴様程度があの【魔女】がスカウトしたと言うのか?」
砂利が頬に突き刺さる。
いっそこのまま意識は飛んだ方が楽だったかもしれない。
が、今はむしろ痛みがそれを許さない。
すでに痛みのキャパシティは超えているのに。
「しかし、弱いな。弱すぎる。本当に、貴様。【魔女】がスカウトした男か?……神奈河の名を持つ男なのか?」
神奈河の、名?
「あの神奈河 南の実力は俺も知っている。しかし貴様のそれは、あの女には遠く及ばない」



