「でも、さっきの勝負を見る限りだとハレルヤ先輩。それに【アーベント・イェーガー】ってフランシア先輩が呼ばれてましたけど二人ともやたら強いですからあの【勇者】じゃあ歯が立たないんじゃ」
「言ったでしょ?」
桃東先輩が僕を一瞥した。
その目には余裕を覗かせて。
「【勇者】は勝ち方を知っている。って」
その瞬間の事だった。
部室棟から「おおおおお!!」と言う怒号を上げながらこちらに走ってくる人影が現れたのは。
一目して、あれはサッカー部の。西木と呼ばれていた人だ。
…あの人は、いったい何がしたいんだ?
何の策もなく真正面から突っ込んで来た所で、缶を踏まれて終わりなのは目に見えている。
何か、策があるのか?



