「じゃあ、少し昔話をしてあげる」


昔話?


このタイミングで?


「いや、昔話って言っても二年前位かな」


「二年、前」


まだバカ姉が生きてた頃だ。


「まだ、私も二年前はピッカピカの一年生でね。時期的には君と同じかな?四月に缶蹴同好会に入ったんだよ」


桃東先輩も僕と同じように地べたに腰を下ろした。


「あの頃は、南先輩。それに何人かの先輩と私に葡萄園、梨乃原がいたの」


今と比べるとかなり人数はいたんだな。


「人数はいたんだけど、部活としては認められなかったんだよね。悔しい事に」


あぁ。それは、仕方ないだろ。所詮は遊技の延長だとしか思わないもの。


僕が校長だったとしてもそんな集まりを部だと認めて部費を出したいとは思わない。