「なんで、僕がこっちで柿宮が偵察なんですか」


あの幼女なんだかわからないがハレルヤ先輩の後にぴったりついてって、ちゃっかり偵察に行きやがったのだ。


「柿宮より、僕の方が偵察に向いてるような気がするんですけど」


「だって夏樹君。目を離したらすぐ【勇者】の下に突っ込んで行きそうなんだもの」


まぁ、突っ込んでいきますからその予想は大正解です。


桃東先輩も肩越しに僕を見る。


「だからこうして私があなたを見張りしてるの」


「……僕の見張りですか」


なるほど、【勇者】より僕の方が危険因子だと思われてるのか。


「…そんなに、僕が信用なりませんか」


立つのが疲れ、どうせ誰も来ないだろ。


僕は地べたに腰を下ろした。