ハレルヤ先輩が放り投げたペットボトルはゴミ箱へと吸い込まれるように入った。
視線が、僕を刺す。
「え?なんですかハレルヤ先輩?」
爽やかな笑みのままハレルヤ先輩は僕に視線を当て続ける。
まさか。
この人、男性とか女性とか関係なしなのか!?
「多分、夏樹君。兵庫君の事、大して強くないと思ってるでしょ?」
「へ?」
「油断は、いけない」
被せるようにフランシア先輩。
「お前はまだ、ゴミカスゲロ野郎」「言葉が汚い」「もとい【勇者】と相対してないから、わからないんだ」
なんだ今の一連の流れ。
「夏樹君。次は、こう簡単にはいかない」
「…はぁ。気をつけは、します」
いや、まぁ確かに対戦してないからよくわからないけど、華奢なフランシア先輩。
それに失礼だけど優男なハレルヤ先輩があそこまで圧倒的だったんだ。
僕に、出来ないはずがないじゃないか。