「くだんない、事だと?」
「はい。くだんない事じゃないスカ。俺らサッカー部ッスよ?つか大会だってもうすぐじゃないスカ。キャプテン最後の大会なんスよ?」
最後の、大会。
その言葉は俺の心を強く揺さぶった。
確かに、もうすぐ俺の、最後の大会だ。
俺の三年間の、集大成。
本来ならコイツの言うとおりこんな児戯などやってる暇なんてない。
練習して練習して練習して。その上で次にサッカー部を纏めてくれるコイツ等二年を育てていけないのだ。
だが。
「これが、俺の青春でもあるんだ」
「…キャプテン」
その二年はそれ以降何も言わず、俺の指示した通りまた反対側の監視に戻った。