王国ファンタジア【氷眼の民】


「国王陛下への手土産です。きっと気に入ると思いますよ」


門番は袋の中身を確認する。


すると門番の表情は凍りつき、短刀を手放してしまった。


狼狽している門番に、もう一人の門番が中身を覗き見る。


「こ、これは!?」


顔をしかめる門番に、レインはほくそ笑む。


しばし門番達の姿を静観して、袋を回収した。


「国王陛下への面会を要求します。上に通してください、門番さん」


王都追放から数十年。


氷眼の民の復興が、両親の解放が、いざ始まる―――