王国ファンタジア【氷眼の民】


恐怖など感じない。


ただ目の前の獲物を倒すのみ。


翼龍との距離が縮む。接触まで後数秒。


「氷壁」


レインが言う。


すると彼の目の前に氷の壁が出現し、翼龍の突進を防いだ。


氷の壁に頭から突っ込んだ翼龍はその場に崩れ落ちる。


立ち上がろうと翼を羽ばたかせると、レインは右手を掲げた。


翼龍の真上に、二本の氷柱が作られる。


レインは右手を勢いよく下ろすと、それと連動するように氷柱が翼龍に向かって落ちていった。


「ギギャアアア!」


大気が震える。