王国ファンタジア【氷眼の民】


太陽が照りつけるが、氷結魔法を用いる氷眼の民にとって体温調節など朝飯前。


身体の周囲に冷気を纏わせれば、余分な水分を奪われることはない。


氷眼の民にとって砂漠越えなど、ピクニックと変わらないのだ。


とはいえ、まだ十歳の少年である。


幼い身体での砂漠越えは流石に堪えるらしく、時々見かける岩に腰掛けて休息を取っていた。


ふいに空から、雄叫びが木霊する。


顔を上げると、上空に浮遊している黒い物体。


包帯のせいで細かな輪郭を確認することは出来なかったが、ドラゴンだとレインは悟った。


この辺境の地にもドラゴンが?


不思議に思うレインだが、黒い物体が徐々に大きくなっていく。


こっちに来る!


レインは岩陰に隠れると、頭の上で突風が起こった。