『仕事はね、忙しくて、疲れちゃうこともあるけど楽しいの。大変なことも生徒達みんなのためって思えば、なんてことないのよ。不思議よね』



瑠璃の言葉に耳を傾けながら、



瑠璃の部屋の山積みになった仕事関係の資料を眺める。



そんな時、ふと思い出すのは中学の時のこと。



瑠璃も時々懐かしそうにして、あの頃の俺達の話をすることもある。



無我夢中で瑠璃に俺の気持ちをぶつけ、伝えたあの日。



あの日の俺がいなければ、今の俺はいないんだ。



もちろん、瑠璃とこんな風に一緒にいることも。



真っ直ぐに瑠璃だけをひたすら想い、



遠くでいつも見つめていたあの頃の俺。



今だってあの頃と変わらずに瑠璃を想っているはずなのに、



今の俺にはありすちゃんの存在がある。



やっぱり俺はあの頃の自分に戻るべきじゃないのか??



ありすちゃんと話をするべきだ……そう思った。