『今日はバレンタイン??』



俺の小さなつぶやきに目の前にいた女の子が、



『えっ…??もしかして先輩、知らなかったとか??』



少し不思議そうにしながらも、



片手に持った可愛らしい包みを俺に手渡し、



『手作りなの♪食べてください!中に手紙も入ってるから読んでくださいね』



と、言ってニコっと笑って見せた。



……ってか…マジで知らなかった俺。



そう言えば、篤司が最近そんなようなことを話題にしてたような……。



無我夢中で勉強ばっかしてると、



それ以外のことに対しての興味が薄らいでくるんだな。



俺の席に戻ると机の上に置かれた沢山の包みや箱。



ロッカーにも下駄箱にも、



直接手渡されたチョコも含めたら、もらった数は数え切れなかった。