Kissシリーズ・「オタクとのキス」

「ん? どおしたの? 真っ赤な顔して」

分かっているのに、あえて知らんプリをする。

「キミって人は…! 可愛いのに、とんでもないことばっかりするんだから」

「ふてくされたあなたの顔の方が、よっぽど可愛いわよ?」

「だーかーらー!」

わたしはニコニコしながら、彼の話を聞く。

彼は気付いていないんだろうか?

あなたが「可愛い」と言ってくれるわたしは、あなたと一緒にいるから可愛くなれることに。

趣味のことで、まるで子供のように夢中なあなたを見ていると、わたしまで夢中になってしまう。

そう、あなたに―。