Kissシリーズ・「オタクとのキス」

「かっ可愛いのはさ」

「うん?」

「キミの方だよ」

「あら、嬉しい。アリガト」

笑顔で答えて、ふと気付いた。

「アレ? 口元、クリーム付いてるわよ?」

「えっ! クレープってあんまり食べないからなぁ。どこに付いてる?」

ティッシュを取り出して、口元を拭こうとする彼の手を止めて、わたしは身を乗り出した。

そして彼の甘そうな唇に、キスをした。

…やっぱり甘いキス。

彼の口の端に付いているクリームを舌で舐め取り、離れた。

「はい、取れた」

その後はクレープを食べ続ける。

「あっ、あのねぇ!」