ケースの中の指輪とにらめっこして早1時間経過。


さっぱり決まらん。


「お客様?贈り物をお探しですか?」


中々決まらん俺に声を掛けてきた店員。


さっきも声を掛けられたけどな、正直うっさかったから蹴散らしたんや。


で、今度は違う人が話しかけてきたんや。


「そや。プレゼント探してるんやけど、決められんなぁ」


渋々答えた俺。


このままじゃ閉店になっても買えんかもしれん勢いやったからな(笑)


「どの様な贈り物でしょうか?」


「・・・・・・」


「婚約ですか?結婚ですか?記念とかですか?」


・・・婚約?結婚。


「婚約や!!」


ここは婚約やな(笑)


それだけの気持ちなんや俺は。


「でしたら・・・パールとかダイヤはいかかでしょう?」


ダイヤかぁ。


・・・高いやろ?それは・・・


店員に促されダイヤの指輪が並んでるケースへ移動した俺。


食い入る様にケースの中の指輪を眺めた。


「・・・これ。洒落てるなぁ」


指差した指輪を丁寧にケースから出す店員。


「こちらはデザインも凝ってまして素敵だと思います」


「そやなぁ。・・・・・・げっ」


思わず金額確認してもーた。