『うん・・・だからさ、もうごめんなんて言うな』





あの時から思っていた。





いつか柚の目指す所に行きたいって。







朝の日差しとともに俺は目が覚めた。
窓を開けて空を見上げる。

もやがかった光。

だけど今日はきっと快晴になる。



7月24日。

今日は県大会予選の決勝戦。

俺たち東実高校は、初めての県大会決勝戦に挑む。



柚と同じマウンドに立つことは、俺にとってとても大きかった。


首にかけられた勝守りをギュっと握る。


「絶対勝つ・・・・・・!」


やっとここまで来られた。


柚と一緒に。




目を瞑り、いままでのことを頭の中に思い描く。



不思議なことに負けるなんて気持ちは全くなかった。