ももが先輩に声をかけようとすると、
先輩は四人に目もくれず
横を通りすぎて行った。

「あっ」

ももがハッとして
先輩が進んで行った方向に
懐中電灯を向けると
廊下の先にも階段の付近にも
先輩の姿はもう、
見られなかった。

四人が見たのは
懐中電灯の光の先も広がる
暗闇だけだった。