「ほら、何時だと思ってるの」

そんな張り上げた声と共に
体育館のあいたからドア廊下からの
冷たい風が流れ込んだ。

「今日も人数、足りないのね…」

薔薇のにおいが二人の横で香った。
寂しそうな声。

その声でうりときょうが横を見ると
黒髪の背が高い女の人が立っている。

「志穂先生」

二年生の代理部長そう呼ばれて
二人の隣の美人は返事をする。
そして、こう続けた。

「今日も足りなさそうね、どうする?」

「今日も控えたいと思います…」

二年生は志穂先生の問いにそう答えた。