とある平日の朝。

オレはいつものように、窓の外をぼんやりと眺めていた。


自慢じゃないが、勉強にはかなり自信がある。

学校の授業なんて聞かなくても、テストなんて楽勝だ。

そんなことを言えば全生徒を敵に回しかねないから、口に出していったことはないが。


とにかく、その日もいつもと同じように、退屈な授業を適当にやり過ごすつもりだったんだ。


だけど、授業時間も残り後15分、という頃。






ブブブブブ、ブブブブブ。




授業中にポケットの中で震えた携帯。

先生が後ろを向いている時を見計らって取り出すと、ウィンドウには兄さんの名前。


(何だろう?)


いつもならメールなのに、今日は電話だし。


……まぁ、兄さんのメールなんて、誤字脱字のオンパレードで読めたもんじゃないけど。

漢字は間違って変換してるし、
平仮名は打ち間違えてたり打ち損じがあったりするし、
絵文字の使い方が???って感じだし。

それで結局解読できなくて、オレが電話して用件を聞き直すパターンがほとんど。


ぶっちゃけ、最初から電話してくれた方が助かる。


そしてこれは余談だが、兄さんのメールにはかなりの高確率で馬さんとか魚さんとかブタさんの絵文字が入ってる。




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