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太一達と別れて、オレは家路を急いだ。

携帯を見ると八時を過ぎていた。


泥棒が入ってませんように。

なんて、戸締まりできてないこと前提。




「はぁ、着いた」


少しの息切れはいつものこと。

オレは鍵を取り出さないまま扉に手を掛けた。




ガチャ。


鈍い音。開かない扉。


「なんだよ、鍵閉まってんじゃん」


その事実は喜んで良いところでホッとすべきなんだろうけど、オレは鍵を探しながらなんだか複雑な気持ちだった。






その夜、兄さんは日付が変わっても帰ってこなかったから、「先に寝てて良い」という兄さんの言葉に従ってオレはベッドに入った。


太一達と遊んだ疲れからか、オレはあっと言う間に眠りに落ち、次に気が付いた時にはカーテンの隙間から朝の光が射し込んで来ていた。




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