「そんなの、いいじゃん」 楓の隣に立っていた 私は明らかに めんどくさそうな声を 楓に向けて発した。 「だめなの」 そう私に返した楓は おばさんの方に向けて 今自分が持っている "たんぽぽ"を突き出す。 夏の暑い日差しに 負けたのか、 元気なくしおれている。 「ごめんなさい」 楓はなぜか、そう言った。