−ー…‥

夏の始まりを
告げているような
少し、強い日差しに
楓は被っていた
麦わら帽子をさらに
深く被った。

麦わら帽子からは
少し、
一直線に並んだ楓の前髪が
見えている。

「お母さん〜…」

「どうしたの?」

花を切りそろえていた
おばさんが楓の方を
向かずに返事をした。