よかった、と私が言おうと 口を開けると お父さんの声、 そして小さな足音が聞こえる。 きのこ頭の男の子だ、 私はそう確信した。 「ハッピークリスマス!」 そんな声でドアが開く。 私の予想通りに 男の子とその後ろには 私のお父さんがいた。 その瞬間、 遠い世界でベルがなるのが 聞こえる。 もうこんな時間か、 夢の世界が次第に 現実の明るい世界に 変わってゆく−…