「タカちゃん、ミイはもう十分大人だよ?」




タカちゃんの寝転がるベッドに両手をかけて、胸の谷間がワザと見えるようにしながらタカちゃんに話しかけた。




『大人な女性は自分の事をミイなんて名前で言わないよ。私って言うようにするって、ついこないだ宣言したのは誰だっけ?』




迫る私からひょいっと逃げるように起き上がって立ち上がったタカちゃんに思わず舌打ちしてしまった。




『舌打ちも俺は好きじゃないんだけど?』




くう〜っ。相変わらずそっけないし、手厳しい!




「も、もうしないもんっ。だからミイ…じゃなくて私と……」





『大人になったら、って言ってるだろう?』




私の頭をポンとして、クローゼットを開けて、厚手のパーカーを羽織るタカちゃん。




「ど、何処に行くの?」




慌てて立ち上がる私をみて、クスリと笑うその顔に、胸がドキリしてしまう。





何年経ってもタカちゃんの笑顔は、ミイをドキドキさせる。




見る度好きだと実感させられるんだ。