いつものように自転車にまたがり、いつものようにそれをかっ飛ばす。


見慣れた古臭い門を通って駐輪場に自転車をとめ、玄関に向かった。


本当はローファーなんかで走りたくないけど、そうも言ってられない。



玄関に着いた時、派手な男子達がいた。


なんかすごいギャアギャア騒いでるし・・・。


・・・通りづらいなあ・・・。


数が結構多くて、突っ切る事も出来なそうだった。


「・・・・・・・」


ひとまず目を合わせずに知らん顔。


ひたすら足元を見ながら、男子の軍団に追いつかないようにゆっくり歩いた。


間に合わないよおぉおぉ!!


ていうか早く歩いて!!


早くどっかいって!!


どうすることもできなくて、心の中で叫びまくった。


・・・もう大丈夫かな。


勝手に安心して顔をあげた。


「っ!」


・・・神崎涼。


ばっちり目が合った。


そう思った瞬間、思いっきり目を逸らした。


何で顔、上げちゃったんだろ・・・。