「あっつー!」


第2までボタンを開けたワイシャツの胸元を掴み、パタパタと動かす。


ワイシャツ1枚で学校に来る事が多くなりつつある今日この頃。


もう7月の前半になり、少なからず夏の訪れを感じた。


「南美ー、ブラ見えるよー」


あたしの頭上からそんな事を言う佳耶。


「な、そういうエッチな意味でこんなことしてるんじゃないんだってば!」


首を捻り、見上げて佳耶に言い返す。


すると隣からも声が飛んできた。


「佳耶ちゃん、今日の南美ちゃんの色は・・・・・・」


「ぎゃーっ!うるさあぁぁい!」


あたしの隣の席の神崎涼のところに来ていた尾崎君が、構わず話に入ってきた。


いきなりの事に慌てて声を上げて、その言葉を遮る。


自分でも、色気のない声だなぁとつくづく思う。


「アホ。何聞いてんだ、お前」


尾崎君の隣の神崎涼が、すかさずつっこむ。


この点は神崎涼のほうが、まともな神経をしてる気がする。


「普通、色じゃなくて柄の方聞かねぇ?」


しかし真顔でそんなことをサラリと言ったそいつ。


・・・・・・前言撤回。


「えぇ、色だろ」


尾崎君もそんなマジな返事しなくていいから。