恋する受験生





「お前また簡単に取るんだろ」


「さすがにこれは無理だな」


「置き方、最悪じゃね?」


「挑戦することに意味があるんだろ」


「3000円でやめるからな」


高校生の団体の声が大きくて、イライラする。



でも、私の存在が消されるようで居心地が良かったりもする。



お小遣いの少ない私には、その高校生がうらやましく思えた。


3000円なんて私にとっては大金。



受験生になってからは、参考書や問題集以外は買ってもらえない。



塾の後に勉強するからと言って、ハンバーガー屋さんで300円くらい使うのが唯一の楽しみ。