恋する受験生



「やった!!!」


最後の1回。


落ちそうになりながらも、ぬいぐるみは必死でしがみついて、出口まで到達した。



がやがやしていた店もシーンとなっている。



私もつられてガッツポーズ。


やった~




「これ、あげる」



俊は、私にうさぎのぬいぐるみを投げた。


ぽーんと。


舞い上がったうさぎは私の腕の中へ。




「え」


「あげる」




そう言うと、俊は右手で自分の鼻先をツンと突っついて、ポケットに手を入れて、ゲーセンから出て行った。