「お届け物でーす!」

威勢のいい声にびくっと肩を上げる。

カウンターに吸い付く頬を剥がして顔を上げると、段ボールの箱を持った作業衣の人がキョロキョロしながら店に入ってきた。

きっと彼からだ!

勢いよく立ち上がる。



取った帽子を追いかけるように頭を下げたかとおもえば、帽子をかぶり小走りで戻っていく。

配達をしてくれた人をこぼれた笑顔もそのままに、トラックに乗り込むまで見送ってしまった。

うれしい!

受け取った箱を見る。

貼られている紙に書かれた、彼の文字にすら喜びを感じる。